メニエール(氏)病「めまい・耳鳴り・難聴・耳の閉塞感」
- ayame-harikyu
- 2013年2月13日
- 読了時間: 4分
70代男性 メニエール病の症例
年齢:70歳前半男性 身長:160㎝ 体重:42kg 現病歴:高血圧症(180/100㎜Hg) 既往歴:結核(24、5歳頃) その他:のどに物が詰まった感じがある。 体がだるい。肩が凝る。腰の重だるさ。 動悸息切れ。
主訴:メニエール病の改善。特に難聴(両耳)
<経過>
10年前に高血圧症を発症。
降圧剤の服用により最高血圧200㎜Hg→180㎜Hgに下がるが
180㎜Hg未満にはならない。
2年前、テレビを見ていたら、突然回転性のめまいが起き
それ以降
メニエール病の症状(めまい、耳鳴り、難聴、耳が詰まった感じ)が
出るようになる。
2年間病院へ通院してるが症状は悪化し、
現在は補聴器をつけてもほとんど聞こえない。
体調も優れないため毎週点滴を受けているが
体重も5kg減少したので自分で調べたところ 鍼灸がいいことを知り鍼灸院を探していたところ 当院を知り来院。
<所見> 2012年1月 来院 電話もかけられないほど殆ど聴力が失われていたため 直接治療院へ来院されました。 補聴器を両耳につけていても私の声は殆ど聞こえず 口の動きで何となく分かるほどでした。
問診票では気滞(気が滞っている状態)がみられ、 脈診、舌診、腹診でも気帯による水の滞り血行の滞りが見られました。 その他に首の状態も悪い状態でした。
<施術> まずは基本的に耳に効くツボと 気の流れを良くするツボを選んで施術をしました。 首の改善も加えます。 気の流れが少し良くなったところで 水の流れを良くする施術も加えます。
翌日は患者さんがなんとか当院へ電話をかけて来院。
週2回のペースで来院。
3回目:耳鳴り、のどのつかえ感とふわっとするめまいが減る
難聴、耳の詰まった感じ(ボーンとした感じ)は変化なし。
血圧は170/95。 4回目:耳鳴り、のどのつかえ、めまいは無い。その他は同じ。 5回目:耳の詰まった感じは風呂に入ると無くなるようになる。 6回目:耳鳴りが起きる。血圧120/60。 7回目:耳鳴り、耳の詰まった感じは少し。難聴。血圧140/90。 体重は44kgに増える。 鍼灸治療を始めてから調子が良いので食欲があるとのこと。
週に1度の点滴も鍼灸治療を始めてから行っていないとのこと。 8回目:音は聞こえるようになるが、言葉がはっきりわからない。 しかし、患者さんが電話をかけてきたときに私が聞き返すと、
以前より私の言っている内容が聞き取れる感じがありました。 血圧120/55。 それ以降 血圧は 鍼灸治療開始から6ヶ月頃までは120~170/90~60前後を 行ったり来たりしていましたが、 それ以降は100/60以下になることが多くなったので、降圧剤はやめて 今は120/60前後で落ち着いています。 耳鳴りや耳の詰まった感じは鍼灸治療開始から8ヶ月までは
雨の降る前や風の強いとき、地震の起きる前に起こることが多く、
それ以外のときはほとんど起きませんでした。
それ以降は
耳鳴りについては殆ど起こらず、
耳の詰まった感じは何かのときに起こるそうです。
難聴は 鍼灸治療を開始してから 3ヶ月半過ぎた頃から少しずつ聞こえがよくなり それから2ヶ月後には 来院途中での車中のアナウンスが聞こえたり 隣に座っている人たちの会話が分かるようになったとのこと。
最近、殆ど聞こえていることが多くなりました。 しかし、年末頃忙しくて来られなくなると聞こえが悪くなるようで、 そのときに知り合いの医者に漢方を勧められて服用したそうです。 すると体がかゆくなり(薬疹が出る)、耳の聞こえが少し悪くなったそうです。 2、3週間ほどでやめたら、かゆみはすぐに止まったのですが、 聞こえの方は戻らず7割程度の聞こえになっています。 このかたは冷え性もあり手足が氷のように冷たかったのですが、 2012年11月以降になっても足は冷えないと言って喜んでいました。 手は足よりはぽかぽかしていませんが以前に比べて冷えた感じは減っていました。 【まとめ】 メニエール病のめまいや耳鳴りは比較的鍼灸治療の効果は高いのですが 難聴はかなり効果が低いです。 特にこの方のように殆ど聴力が失われている場合は難しいので 7割聞こえる状態でも奇跡に近い回復だと思っています。 この奇跡に近い回復は患者さんの継続にあると思っています。 難聴でも早いうちに鍼灸治療に取りかかれば改善する可能性は高くなります。 特にまだ神経が完全に損傷していないうちなら可能性は高くなります。 できるなら時機を逃さず治療を受けられることをお勧めします。
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